記憶に残る2作の異色作品。迷作か、それとも名作なのか
たかが10週程度の連載で、いつまでも記憶の片隅に残ってる漫画というのがある。
それが岸 大武郎が描いた作品だ。
これは、自分だけじゃなく同じ世代の方ならきっと同調してくれる方もいるのでは?
まずは、面白かったか?といえば、そういうわけもではなく、読むのを楽しみにしていた。というわけでもなく。とりあえず読んでた。。。そんな感じ。それなのに、なぜか印象が強い不思議な漫画だ。
はじめて知った、その偉大なる日本人の名。
はじめて知った、反芻(はんすう)という言葉。。。
ー南方熊楠伝-
1990年-1991年
言動や性格が奇抜で人並み外れたものであるため、後世に数々の逸話を残す、博物・生物・民俗学者の若き日の南方熊楠を描いた作品だ。でもね、連載一回目から、なんとな~く分かっていましたよ。すぐ終わることも。。。あっ、あくまで個人的にですけど。
しっかし編集部側も大方、予想はしてたんじゃないかな。バトルものが受けまくってるさなか、このての学習的漫画が、人気を得難いことも。
それでもその中に、あえてこのような異質な漫画を登場させることも、たまにやらかす当時の素敵な週刊少年ジャンプ。その心意気を子供ながらに感じて、ちゃんと読んでおりましたよ。
でも、やっぱりの、これから本格的な南方熊楠の活躍がみられるぞ、という所で予想どおりの連載終了。まぁ、そりゃそうだろな、と思ってたところ、巻末の作者コメント欄にて
第二部ロンドン編を構想企画中。
「うそっ、これまだやるの?人気ないだろ」
これ、その時の感想。
で、この予想だにしなかった、まさかの第二部構想発言により、
そして伝説へ。。。
この作品が、多くの読者の記憶に残る一つの要因になったんじゃないかと。
そして、もう一つ。
中世代の恐竜たちを擬人化し、各話ごとに異なる恐竜が主軸となる1話完結の物語。
恐竜大紀行
1988年-1989年
弱肉強食の世界で、生き延びることの難しさ。そして、生命の美しさも描かれていた、すばらしい漫画でした。只、恐竜の絶滅論など、当時の有力説を元に描かれており、現在の説とは異なる部分は当然あるんですがね。
この恐竜大紀行に関しては、連載が続くことを願ってたのですが残念ながら、こちらも11週で連載終了。感動させられる、いい話目白押しで毎週楽しみに読んでいたのによっ。
結局、岸大武郎が、週間少年ジャンプで連載した漫画は、この2作品のみ。その、いずれも短期終了となったわけです。それでも尚、2つ共に記憶に残っているのは、バトル全盛期のジャンプの中で、ひときわ異彩を放ち、ちょっと年齢層が高い世代でも受け入れられる上質な物語を描いてくれたからでしょう。
命ある限り食え!
これまた、すごいフレーズだったな。。。
▼伝説的な少年ジャンプ作品。偉大な日本人の伝記漫画、てんぎゃん
▼弱肉強食の世界、そして栄枯盛衰を諸行無常に描く!恐竜漫画の傑作、恐竜大紀行
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