体操マンガといえば、これ以外は思い出せない
2020年夏、本来ならいつも以上に熱い夏が到来する予定だったんですがね。実に56年ぶりとなる夏季オリンピックの日本開催が、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けて、1年延期となりました。そんなオリンピックの人気競技のひとつ、体操。日本人の注目選手も多く、鍛え抜かれた肉体美の美しく迫力ある演技に魅せられることでしょう。そんな体操競技で思い出す、ひとつの漫画、
空のキャンバス
1986年-1987年 今泉伸二
漫画では、あまり見かけない体操競技を題材にした漫画で、今泉伸二のジャンプ連載デビュー作品。スポーツ物を取り扱うものって、○○大会優勝とかが目標なんですが、この漫画はちょっと違うところが、受けたんでしょうね。
主人公、北野太一が幼少期に出会った、ひとりの少年。その少年が、公園で見せた月面宙返り。負けじとコブだらけになりながら練習するも、すぐに出来るはずもなく。そうこうするうち、彼は突然いなくなってしまうわけです。太一に手作りマントのプレゼントを手渡して。。。その後、太一は彼を追い続け、体操競技を学ぶわけですよ。再び再会し、彼に勝負を挑むために。
で、話の骨格は、太一が少年と思っていたのが実は女の子。中学生になった太一が所属する体操クラブの赤城コーチの娘だった、ということ。そして、幼少期に彼女をかばうために背負った背中の大怪我。この怪我が太一の身体をしだいに蝕んでいくんですね。ジャンプ漫画には珍しく、常に「死」を意識して物語が進んでいく、感動の青春物語として今でも記憶に残る漫画の一つなのですが、ただ、この後の今泉伸二作品は、あまり好きではなかったんですよ。本人の意向か編集者の意向か知りませんが、この作品が受けたのをよいことに、同じ様な感動路線の漫画を続けるわけです。
「神様はサウスポー」。。。
子供ながら、大人の「あざとさ」が感じられたんでしょうね。ありありの感動させてやろう感とか。それが、いやでいやで。空のキャンバスでは、自然に感動できたのに。一年以上も連載が続くことになったこの作品。最後も見事に、感動のフィナーレで完結してくれました。
最終話の最終コマ。
空というキャンバスに、月面宙返りを描く太一の姿を思い浮かべる榛名の顔が印象に残ってます。(T_T)
この漫画が連載していた当時、現実の技ではなかったものが、いまでは存在してたりします。時の流れを感じずにはいられない。。。
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