これが戦国の世、当代きっての傾奇者の生き様よ
2020年度のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が相変わらず、視聴率が好調のようですね。やはり戦後時代の大河ドラマは面白い。まして今年は、あの明智光秀。わたくしが幼少のころは明智光秀といえば、主君を裏切った謀叛人としてあまり良い印象がなかったかと思います。しかし近年では、その後の史料から評価が一変。信長が最も有能な家臣として期待し、そしてまた平定した丹波の領民からも慕われていた名君な武将だったことがわかっております。
そんな武将たちが力を争った戦国時代。週刊少年ジャンプでもこの時代を扱った漫画がいくつかありましたが、その中で有名なのはやはり、前田慶次郎利益に焦点をあてたこの漫画、
花の慶次ー雲のかなたにー
1990-1993年
原哲夫の漫画としては「北斗の拳」「サイバーブルー」に続いてのジャンプ連載漫画。原作は歴史小説、隆慶一朗の「一夢庵風流記」。史料の少なさから知名度は決して高くなかった、前田慶次。しかしこの原作、そして漫画により一躍脚光を浴びることになりました。そのため、このあと発売された戦国時代もののTVゲームには前田慶次が決まって登場!それも武力、ほぼ最強。。。
過去、よくみられた戦国時代ものとは、いっぷう変わったこの漫画。主人公は異風の姿形を好み、異様な振る舞いで人を驚かす傾奇者。ただ、慶次は風流を愛し、一流の文化人という側面も持ち合わせており、それらに魅せられた有名武将達とのエピソードが、なんとも気持ちよく、爽快に描かれていました。
史実どおり上杉家やその家老、直江兼続は当然として、天下人になった秀吉。勝新の家康や、叔父の利家。北条勢に伊達政宗。さらに回想シーンでは信長も。その他、実に数多くの戦国武将たちが登場し、楽しませてくれたものです。その中でも、なんといっても真田幸村。初登場したときは、おもわず吹きだしてしまった。ほんと長渕剛そのままでしたからね。
又、この作品、時代背景もしっかり描かれていて興味深かった。秀吉により太平の世に向かっているさなか、死ぬべき場所を時代の流れゆえに奪われた、いくさ人たちの哀しい末路。慶次も、そのひとりかと。。。そんな感動できる場面も、また多くありました。いくさ人とは?男とは?人とは?守るべき自分とは?そんな事を思わず考えさせられたりして。いや~、いま思えば、実に少年漫画の題材に適した戦国時代ものだったな~っと。そんな風に思えてなりません。かなり、少年誌向けにアレンジされていたとはいえね。
慶次自身の姿は黒王にまたがる、ちょんまげを乗せたケンシロウ。ほんらい家康と同い年の為、年代からして既にいい年。そのくせ漫画では、相当若く描かれている。
そう、かなり無茶苦茶!
だが それがいい
▼戦国一の傾奇者と熱いもののふたち。佐々成政、石田三成、大道寺政繁に結城秀康たちとのやり取りも興味深かった。花の慶次ー雲かなたにー by Amazon.co.jp
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